今までのカバー作品と違い、今回ご紹介するのは、黒須氏初のオリジナル作品 "A Ray of Hope"(希望の光)です。
遠くにピラミッドが見える、砂漠での光景です。
ラクダではなく、バッタで果てしない旅を続けてきた妖精のようなCosmic Girlは、力尽きる寸前でオアシスを見つけたのでしょうか?
愛おしむようにバッタに手を置きながら天を仰ぎ見るCosmic Girlの姿が印象的です。
ピラミッドにかかる虹と反射した陽光が、希望の象徴でしょう。
果てしなく広がる風紋が、画面に動きを与え、Cosmic Girlの心の動きを暗示しているように見えます。
この作品にはちょっとしたエピソードがあります。
タコリンが好きな、アンドリュー・ワイエスの代表作"Christina's World"のアレンジを以前に黒須氏にリクエストしたことがあるんですが、対象になる原画がパブリック・ドメインではないため、できあがった作品は公表できないんです。 そうすると、黒須氏自身が、あの作品に感じる "希望"とか "生命力"をテーマにして再構成してみようかという提案をしてくれました。 そして、二つ返事でお願いしてできあがったのがこれなんです。
二つの作品を比べると、広くて荒涼とした風景の中で、ヒロインが左下で、目指す対象物が右上の地平線にあるという構図に共通点が見られます。
でも、さすが黒須氏! ワイエスとは違う世界観で"希望"のイメージを作り上げてくれました。 タコリンも大満足です。
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