レンタルビデオで借りて観て、あまりに気に入ったので、その日に2回、去年の連休中には10回以上観てしまいました。
今年のGWでも思い出して観ましたが、いつ観ても、色あせない魅力を持っています。
マザーコンプレックス(?)の主人公の女の子Helenaの妄想の世界をとてもグラフィカルなCGで描いているのですが、その映像が墨絵のような詩情豊かな感じで、ちょうど夢の世界を覗いているかのようなファンタスティックな世界が展開されています。 それもそのはず、監督がイギリスのイラストレーターのDave Mckeanなのです。 この人のフォトとイラストのコラージュは、シュールレアリズムのような絵画的な印象があり、的確に深層心理を表現しています。
そして、繰り広げられるストーリーは、奇想天外でちぐはぐなんですが、それがいかにも夢の世界の不条理さと、深層心理のリアルさを感じさせています。 何も手がかりがないまま、不安と焦燥感に苛まれて、謎のMirromaskを探すあたりは、現実の夢の世界でもよく経験する状況です。
最後は、Happy Endなのも、それまでのハラハラドキドキを埋め合わせてくれるように安心するし、ユーモラスなラストシーンも洒落ています。
何よりも、サウンドトラックがいい。 Iain Ballamyというフュージョン系のサックス奏者の民族音楽的なサウンドが映画の各シーンをとても盛り上げています。 後で音楽CDも輸入盤を買って聴いたんですが、やはり映像と一緒でないと成り立たないようなベストマッチングなサントラです。
冒頭の、You Tubeの映像は、ハイライトシーンですが、あの有名なCarpentersの名曲『Close to You』を、ここまで妖しげなアレンジにしてしまったのはお見事です。 古いゼンマイ仕掛けのような錆び付いた機械音の効果が二重丸ですね。
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