点描画で有名なスーラの代表作に"グランド・ジャット島の日曜日の午後"(A Sunday Afternoon on the Ialand of La Grande Jatte)という、陽光に包まれた日曜日ののんびりとくつろいだ情景を表現した絵があります。
そのロケーションをベースにして、黒須氏はタイトル通りの白昼夢のような光景を作り上げました。
燦々と降り注ぐ日差しを、スーラは点描画によって、その光の輝きを表現しようとしました。 画面全体に光の粒子が満ちあふれているかのような明るい印象はスーラ独特の表現です。 人物や物体も、物質というより、光の固まりのように、どこか非現実的な雰囲気を醸し出しています。
黒須氏は、その特性を鋭くとらえ、夢の中の1シーンのようなイリュージョンを生み出しました。
現実としては不条理なイメージも夢の中では意外にリアルな印象を持つことがありますが、この作品もまさにそんな光景を彷彿とさせるものです。
周囲の誰もが、その不条理に無関心なように見えますが、コズミックガールの後ろのお母さんに連れられた白い服の女の子だけが、あられもない(?)後ろ姿に気づいて驚いたように眺めているように見えちゃいます・・・まるで、裸の王様のように。
それにしても、原画に溶け込んでいるコズミックガールの、デジタルでの点描処理が見事です。
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