こちらは、同じく尾形光琳の名作"竹梅図屏風"がモチーフの黒須氏の作品"The Moon Princess"です。
非日常の空間を感じさせる原画の世界から抜け出たようなコズミックガールがとても魅力的ですね。
原画は非常にシンプルなので、金箔の空間が静寂に包まれるような空気感を感じさせます。 黒須氏は、そこに起こった不思議な現象をイメージにして定着させたかのような作品を生み出しました。
煌々と輝く満月から、このコズミックガールが地球に降りたったのか、逆に満月と交信しているのか・・・謎深い印象を与えてくれます。 ちなみに、"The Moon Princess"とはかぐや姫の意味です。
よくよく見てみると、人影が光源の位置からして人物の左に来るはずだけど、逆に右側になっているのを発見し、黒須氏に尋ねてみました。
氏曰く、「画面全体のバランスからして直感的に真ん中に影を置きたかったので、配置し、進めるうちに気がついて、一度左側に移動したのですが、なんとも収まりすぎて退屈なイメージになってしまいました。 やはりシュールなイメージを出すにはこの位置でなくてはなりません。 また、これは影であるとともに、満月と対峙している後ろ姿のシルエットでもあるのです」
・・・なるほど納得です。
「かぐや姫」の世界とは関係なくて申し訳ないのですが…晩秋の篠山路をドライブし、兵庫陶芸美術館「ハンス・コパー展」を見に行ってきました。
電話で教えてもらったので、是非訪れなくてはと出かけたのです。
土を紙のように薄く削り込んだ繊細な地肌と、単純な形態の組み合わせの力強さの対比を面白く感じます。キクラデス彫刻の痩せた女神も、内に豊かな膨らみを秘めているのだと思いました。
投稿情報: カワイ ヤスオ | 2009年11 月29日 (日) 23:59
よかった、よかった。私がコパーの作品を観たときから、カワイさんのことが目に浮かび、君が遠い昔の学生時代に石彫に夢中だったときのことを思い出していました。 また、会って語り合いましょう!
コパーは、象徴的なフォルムとシンプルで趣のあるマチエールがとても魅力的です。 憧れのルーシー・リーの作品も同時に展示してあり、とても充実したいい展覧会でしたね。 美術館のロケーションも抜群で、地元の野菜たっぷりのイタリア料理も味わい深いもの。
・・・ぜひ「かぐや姫」にも熱き一票を。
投稿情報: TACOリン | 2009年11 月30日 (月) 21:57