This is my original music,imaging walk around the jungle.
Inspired by the picture titled "La Charmeuse de serpents",painted by Henri Rousseau.
アンリ・ルソーはお気に入りの画家ですが、彼の作品の中では、この『蛇使いの女』が一番好きです。
子供の時に誰もが空想しそうな、夢のあるノスタルジックなジャングルのイメージを見事に描き出しています。 彼自身が植物園に通って、いろいろな植物を観察し、それを組み合わせて描いた空想の植物は、パターン化されたテキスタイルデザインの模様のようでもあり、 今の時代でも新鮮な印象を受けます。
また、妖しげな女のシルエットと蛇を絡ませて、神秘的でエロチックなイメージもダブらせていますが、彼の絵には、よく楽器が登場します。ここでも、画面の吸引力となっている、こちらを凝視する女の目のすぐそばに横笛があり、そこからは、東洋的な(?)旋律の音色が聞こえてきそうな感じです。
そんな、不思議な魅力のあるこの絵にインスパイアされて、今から30年ほど前に、すべて自分一人で作曲、演奏、録音したのが、この『JUNGLE WALK』です。
演奏時間が11分30秒にも及ぶ曲で、ルンバのリズムを基本に、シンセサイザーやボイスなどを絡ませたマルチトラックレコーディングで作り上げた作品です。
当時は、まだアナログ時代で、コンピュータではなく、懐かしのマルチチャンネルのオープンリールデッキで録音したものです。 デジタル録音と違って、ピンポン録音(4つしかないサウンドトラックを、3つ使って、そのサウンドをミックスして残りのトラックにダビング)を繰り返していくアナログ録音なので、重ねれば重ねるほど音の輪郭がぼやけ、テープ特有のヒスノイズもどんどん増えていくという悪条件でした。 そんなことを思うと、今のデジタル環境はホントにありがたい!
今聴いても、ルソーの絵のように素人っぽい感じの中に、アフリカ、インド、中国、アラビアなどの民族音楽の要素が混じり合った『プリミティブ・フュージョン』というような感じで、なかなか幻想的でノスタルジックな雰囲気を醸し出していると思いますが、いかがですか?
ちなみに、ルソーの『蛇使いの女』が描かれたのが1907年で、『JUNGLE WALK』を録音したのが1977年ですから、ちょうど7並びの不思議な因縁でもあります。
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