神戸市立博物館で開かれている『インカ・マヤ・アステカ展』を観に行ってきました。
落ち着いて、心ゆくまで観られるようにとわざわざウィークディに出かけたのに、予想外で、年配の人を中心にかなりの観客数でした。
インカは湖上、マヤは密林、アステカは高山と、どの文明も他の文明のように大河の流れる肥沃な土地じゃなくて、過酷な大自然と向きあうような環境で栄えたというところがポイントのような気がします。
そんな環境での人々の生活は、自ずから大自然と共存する思想を生み、大自然の驚異や恵みから様々な神が生まれ、身近な動物に対しても恐れや愛情が感じられます。 そして、そのような感情の表現として、そこから力強く生命力に溢れた造形が生み出されています。
でも、その表情にはおおらかでユーモラスな面も同時に感じられ、その時代の人々の豊かな感性を感じ取ることもできます。
長い長い年月を経てもその生命力は少しも衰えず、その当時の気配を感じ取ることができる圧倒的な存在感です。
今の時代、すべてがデジタル化される方向で、実体のない希薄な情報やモノに囲まれ支配される文明の中で過ごしていますが、便利で快適になる反面、自然の一部の生き物として生き延びてきた人間の生命力の根源を忘れかけているような気がします。
これはNHKとのタイアップの巡回展ですが、NHKも力の入ったサイトを立ち上げています。
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