あることがきっかけで、広告業界のパロディー用語をずいぶん前に作って遊んでいたこと思い出しました。
そのデータが残ってましたので、最近のエントリーとは異色ですがここに公開します。
どれも皮肉っぽいですが、実際に目の当たりにした、当たらずしも遠からず(?)の内容です。
☆困サイス パロDAY 業界《迷》用語辞典☆ 1993年版
【ブチコメラマン】
何でも見境なく仕事を入れられても平気で徹夜でもしてこなし、それが慢性的になってしまい不健康的な毎日と低レベルのクォリティーを誇ってそれなりの扱いしかしてもらえないかわいそうなカメラマンのこと。
【ナントカシタイリスト】
センスが悪くたいした努力もしようとしないのに、ツブシが利き、聞こえもいいということで自分一人だけが納得し、どういう訳か業界に身をおいている腹の立つ存在のスタイリストのこと。
【モンクデル】
見栄えもパッとせず、頭もパープリンで的を得たポーズもとれない、なんでエージェンシーに登録されているのか理解に苦しむ勘違いもはなはだしいモデルのこと。
【フラストレーター】
自分の作風も確立できず、ニーズに対しても答えられなく、あげくの果ては他人の作風を真似て、またそれがすぐに露見してクライアントも本人も欲求不満に陥ってしまう、どう考えても不幸としかいいようがないイラストレーターのこと。
【コンビニライター】
予算がなく、時間がなく、それでいて大至急の取るに足りない仕事を頼んでも、文句ひとつ言わず、笑顔で受けて、たいした請求も来ない業界の救世主のようなコピーライターのこと。
【コビルライター】
クライアントのニーズに対してとんでもない出来上がりを提出しておきながら、したり顔で自分の正当性をぶちかまし、常にひんしゅくを買っていながらそれに気がついていない無神経なコピーライターのこと。
【ドレクター】
自分に自信がなく、それなりの努力もしないので、常に迷いに迷ってコレといった方針も出せないので、クライアントやスタッフから完全に軽蔑され無視されているありがた迷惑な存在のディレクターのこと。
【メラン・ブー】
ブーメランの逆で、何かにつけ思いつきで適当な外出先を行動予定表に残して、それをみんなに見透かされているにもかかわらずおなじことを繰り返し、たいした実績も残しようがない、いったん外出したら二度と事務所に帰って来ないグータラ企画マンのこと。
【呑む・打つ・買うの三拍子プレゼンテーション】
いろいろ努力をしたにもかかわらず、中途半端な実力と態度で『涙を呑む』『頭を打つ』『ひんしゅくを買う』の不名誉な三拍子を手にして、不幸にも穴があったら入りたい気持ちになってしまうような結果が出てしまうプレゼンテーションのこと。
【触れてんゼーション】
理解力不足から企画のポイントがあいまいになったままで時間が迫り、クライアントをごまかし、自分もごまかしながら、バツが悪い心地で行ってしまうスカシッ屁のような、肝心のニーズに全然答えていない的外れのプレゼンテーションのこと。
【ローリング・ストーミング】
参加メンバーがあんまり乗り気がしないので、適当なアイデアでお茶を濁して、時間ばかり空しく過ぎていき、結局何かコレといった成果も得られようがない、堂々めぐりのブレイン・ストーミングのこと。こういう状況の下ではこういう発言が飛び交う─『そういうフリオ・イグレシアス…』『何か意見をダスティン・ホフマン!』『アー、気分がメリル・ストリープ…』『アンタは何をショーン・コネリー!』『あの人にはビビアン・リー…』
【ブレーン・ストリーキング】
主催者がパープリンで、おまけに記録係もあいまいで、せっかくの貴重なアイデアも真っ裸で目の前を走り去り、気がつけば何の実りもなく、思わず「時間ドロボー!」と叫びたくなるブレイン・ストーミングのこと。
【信じる者は足をすくわれる。】
とかくバカ正直な者は文字どうりバカを見るこの弱肉強食の業界において、ひとくせもふたくせもある業界人を相手に渡り合おうとするときに、ひそかに心の中にしまっておけばよい非常に有り難き諺のこと。
【知らぬがホットケ!】
ちょっとの情報や知識が左右を決するこの不思議な業界において、あまりヤッキになって取るに足りない無意味な情報やデータを追っかけても、結局それに振り回されてしまい、大事なことを見失う結果を招くという真実を悟ったときに、かみしめるべき含みのある諺のこと。
【とんで非に入る仕事の虫。】
生真面目さから、へんに仕事仕事とかたく考えて融通が利かなくなってしまい、勝手に袋小路に自分を追い込んで、おまけにまわりの者も犠牲にしてしまう実直なタイプの企画マンのガン細胞のことを憐れんで例えた諺のこと。
【能ないカラスは姿を隠す。】
どこの企業にもいるどうしようもないお方は、自らを目立たなくして煙に巻く術を心得、そのくせ何もしないから失敗もせず、アンノンと日々を過ごして、チャッカリ会社からは必要十分な給料をせしめるという不条理な事実を皮肉った諺のこと。
【飛ぶハエを落とす勢い。】
たいした仕事を任すと簡単にパニックに陥ってしまい、そのくせ雑用にかけては驚くようにこなす処理能力を備えた小利口企画マンの様子を称えた諺のこと。
【朱に交わればアホクサクなる!】
スケジュールを急がされて、必死でいろいろ無理をして提出した原稿を、クライアントが大企業というだけのことで、いろんなセクションを回覧され、しびれを切らしてようやく戻ってきた原稿が、見るも無残に朱書きがアリのようにたかって原形をとどめず、あまりのショックに目の前が真っ暗になる時に思わず口ずさんでしまう諺のこと。
【採らぬ企画の紙算用。】
クライアントからの依頼のされ方が不条理で、提出したくもないのに、がんじがらめの状態で提出せざるを得なくなり、仕方なく形式的に内容が不明確でデタラメな企画見積書を書いてしまうこと。
【アンタがたいそう…】
どこの企業にもいる、見るからにスタンド・プレイが鼻をつき、おおげさなポーズでまわりにいる者を扇動してしまう輩に対して、あまりに目に余る状況になったときに心の中でつぶやけばスッとするおまじないのこと。
【大安屈辱】
自信のなさからつい縁起をかついでしまうが、結果空しく、心配していたとうりにはめられてしまい、惨めな状況に陥ったときに思い出して自分をチョットでも慰めればいい非常に味わい深い文言のこと。
Copyright 1993 by MC.HAMMALE(私の当時のペンネームです)
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