尾形光琳の名作"紅白梅図屏風"がモチーフである、黒須氏の作品"Blossom into a Deep Love"をご紹介します。
現実の世界を超えた、象徴的な世界の中での意味ありげな光景をかいま見てしまったような気がしてきます。
原画はあまりにも有名な、光琳の傑作です。 紅白を対比させ、間を仕切るかのような水の流れでボリュームと動きを感じさせる、あくまで象徴的で装飾的なイメージです。
作品のタイトルが示すように、黒須氏は、そこに情念を感じさせるコズミックガールを融合させ、巧みにストーリー性を作り出すことに成功しています。
さらに、原画にはないはずの、光琳が好んだモチーフの燕子花(カキツバタ)を、"燕子花図屏風"からサンプリングし、コズミックガールの周囲に配置して、これまた見事に溶け込ませています。
川面に沈みかけた失意の女性という光景から、ラファエル前派の画家ジョン・エヴァレット・ミレイの有名な作品"Ophelia"を連想しました。 これもシェイクスピアの悲劇がテーマの象徴的で幻想的な作品です。
また、タコリンはクリムトの装飾と写実が絶妙に融合した絵が好きなんですが、その世界観をも彷彿とさせる作品でもあります。
あなたの観点私は非常に賛成の立場を示した。
投稿情報: 吉池 | 2013年7 月10日 (水) 12:48